はじめての「好き」をつくるピアノ。

株式会社河合楽器製作所
- CLIENT
- 楽器メーカー
- AREA
- 静岡県
- PRODUCTION TIME
- 8ヶ月
ブランドに込めた想いと価値を最後まで届ける。
- STEP 1課題
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河合楽器製作所として大切にしてきた理念やブランドに込めた想いがあるものの、一般のお客様にその想いや、価値が十分に伝わっていない。
- STEP 2施策
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まずは全体設計を行い、方向性を共有するキックオフを実施。その後、関係者へのヒアリングやアンケート、実際の店舗や現場への視察を行い、得られた情報の整理・分析をしました。その上で、ブランドの核となるコンセプト・タグラインのご提案を行い、体験価値を届けるためのクリエイティブツールの設計・ご提案。ツールの制作や商品撮影も実施し、最終的には各種制作物を店頭での展開を実施しました。
- STEP 3結果
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ブランディング実施後は一貫した世界観で商品の魅力を伝える流れを設計、実施したことで、販売台数が増え、念願だった業界1位を獲得。 今回対象だったブランドだけでなく、シリーズ全体のコンセプトまでも策定。
WORKFLOW 2019 - 2019
課題

河合楽器製作所として大切にしてきた理念やブランドに込めた想いを電子ピアノに託して開発、販売しているものの、お客様にはその想いや、価値が十分に伝わっていないという課題。その課題は販売台数にも直結しており、業界2位にとどまっている状況でした。
また電子ピアノ業界全体の課題として、コミュニケーションにおけるアウトプットが、少し昔を思わせる世界観や「お金に余裕がある層しか弾かないのでは」と感じさせる印象が残っており、実際の生活者にとって距離のある存在になっていました。誰もが楽しめる楽器であるはずのピアノを、今の時代に合った感性で届け直す必要がありました。
WORKFLOW 2019 - 2020
施策・プロセス



電子ピアノ業界は競合他社との差別化が難しく、各社の製品差が見えづらくなっている状況。機能面での優劣だけでは選ばれにくく、価格で判断されがちな中で、「KAWAIだから選ばれる」という独自の価値をどうつくっていくかも重要でした。
まず全体設計を進め、ブランディングの共通理解を図るためキックオフを実施。プロジェクトメンバーと河合楽器製作所さまの関係者を交え、ブランドの目的やゴールを整理し、目線を合わせます。その後、マーケティング部やデザイン室、開発企画など多角的な視点からヒアリングやアンケートを行い、現場視察も実施。これにより、市場動向や歴史の深掘りを含めて情報を整理・分析し、「もっと伝えたい、感動を。」という理念が根付いている一方で、生活者に伝わりづらい現状が浮き彫りに。
課題解決のため、コミュニケーションコンセプトとして「はじめての『好き』をつくるピアノ。」と、CNシリーズ全体を象徴する「家族の一韻」を開発。単語の細かいニュアンスまで丁寧に議論し、全メンバーでの度重なる検証を重ね決定しました。単に「売れるためには」ではなく、ブランドの長期的な成長や発展を踏まえて、販促ツールはWebサイト、ストーリーブック、店頭POPなど多様に設計し、それぞれの場面で一貫した世界観を届けることを重視し、実行しました。
WORKFLOW 2020 - 2020
成果


ブランディング実施後、CN201の販売台数は増え続け、競合を追い抜き、念願だった業界1位を獲得。その後も順調に販売台数を伸ばしている状況です。理念・価値を再定義、それをしっかり伝えるコミュニケーションを作り出すことで、商品の売上にも貢献することができました。
課題だった「大切にしてきた理念がCN201を通して、お客様に十分に伝わっていない」ことを解決するためのプロセスにおいて、私たちは創業者の意思や河合楽器製作所さまの歴史まで遡りました。企業の本質的な部分まで迫ることで、今回想定していなかったCN201だけでなく、全体のCNシリーズのコンセプトまでも生み出すことにつながりました。