包まれた可能性を、広げていく企業へ。

株式会社キラックス
- CLIENT
- 株式会社キラックス
- AREA
- 愛知県
- PRODUCTION TIME
- 1年2ヶ月
周年を節目に、次世代への希望をカタチにする。
- STEP 1課題
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梱包資材を中心に扱うラックス社は、創業60周年と社長交代の節目を迎えた。これまで企業自体は安定して成長しながらも、その成長に人や組織の成長が追いついていないという課題を抱えていた。新社長就任に伴い、社員が抱える「不安」を「未来への希望」に変え、次世代へ向けたボトムアップ型の活性化を促す必要があった。
- STEP 2施策
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経営理念を継承しつつ、社員が共通認識を持てる「ワンメッセージ」を策定。60周年式典での発表を皮切りに、次世代の未来像を描く「未来創造プロジェクト」を発足。その後、Visionの言語化を新社長と個別に行い、さらに社員と共にValueを策定するなど、段階的に未来を共に描く仕組みを整えた。
- STEP 3結果
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社員の間では部署横断の交流や主体的な意見発信が進み、プロジェクト外でも自発的な活動が生まれた。ワンメッセージは採用や外部露出にも活用され、Vision,Valueは経営企画発表会で全社員に共有され議論が生まれるなど、不安を希望に変える基盤が確実に築かれつつある。
WORKFLOW 2024/7 -
課題
キラックスは創業60周年を迎える2024年、初めて創業家以外からの社長交代を予定していた。3代目としての新社長・難波氏の就任は大きな変化の節目であり、新社長の中では、社員に「会社はこれからどうなるのか」という不安が生じることも懸念されていた。
一方で業績は堅調で、「黙っていても100年企業を目指せる」状況にあった。そこで2代目社長・吉良氏と難波氏は、この節目だからこそ現状に甘んじず、成長をさらに加速させ、次世代に向けた企業像を描き直す必要があると考えた。過去には多くの社内プロジェクトが実施され、社員の成長機会はあったものの、それぞれが「点」で終わり、全社的なストーリーとしてつながらない課題があった。
そこで本プロジェクトでは、社長交代という節目に「不安を未来への希望に変える」とともに、これまでの点の施策をつなぎ、全社員が共通の使命感を持つことを狙いとした。
WORKFLOW 2024/7 -
施策
最初のステップは、60周年と社長交代にふさわしい核となるメッセージづくりであった。吉良氏・難波氏と共に創業から現在までを振り返り、経営理念と社風を整理した結果、「創業期から続く経営理念」と「温かく家族感の強い社風(通称“吉良温泉”)」を継承しつつ、未来への成長を込めたメッセージを策定し、60周年記念式典で社長交代とともに発信した。
次に、各拠点・部門から選抜されたメンバーと新社長が参加する「未来創造プロジェクト」を発足。ワークショップを通じて現状と理想を擦り合わせ、次世代に必要な共通認識としてValue策定に進むことを決定。
その後、難波社長とVisionを個別に策定し、梱包資材のルーツを踏まえつつ関わる人の可能性を広げる企業像を描き、続いてValueを整理。社員の判断基準となる5つのValueとして言語化し、日常で拠り所とできる思考の指針として位置づけ、浸透施策の検討までを行なった。
WORKFLOW - 2025/9
結果

本プロジェクトは定量的な成果こそこれからだが、プロセスの中で社員の変化が表れている。プロジェクト初期には「何をするのか分からない」と戸惑う声もあったが、進行に伴い部署を越えた情報共有や掛け合わせが生まれ、会議外での交流も活発になった。Valueの浸透施策を検討する段階では「どの層から巻き込むかが重要」といった主体的な意見も出るようになり、終了直後にはメンバー自身が自主的に会議を開き、今後の展開を議論していた。
60周年式典で発表されたワンメッセージは、すでに採用活動やテレビ番組出演時に活用され、企業の外にも広がりを見せている。また2025年の経営企画発表会では、VisionとValueが全社員に共有され、発表直後から社員同士でValueについて語り合う様子が見られた。新社長と共に未来を描く「仲間」が着実に増えており、不安を希望へと変える基盤が築かれたといえる。